恋化石(仮)

 柚衣子の同期は少ない人数のせいか、男女関係なしに仲がいい。

度々飲みに行ったり、昼を共に過ごしているのを見かけている。




 匡輔の同期はと言えば、仕事の多忙さや結婚で辞めていく女性が多い中、残っているのは仕事を生きがいにしたシングルのキャリアウーマンたちばかりだ。


こいつも後者なのかと思うと、納得がいく。

社泊してまで仕事をするような女だ、そうに違いないと、頬に手が伸びる。





 キャリアウーマンにも二種類あると理解している。

仕事しかできない女性と、仕事もできる女性。




 前者は容姿が伴わないことが多いように見受けるため、仕事を除けば関わる機会も、そうそうない。

後者になればなるほど、休日や終業後の時間を上手く使っている女性が多い。

飲みに行ったり、趣味に勤しんだり。



同期の女性は、一緒になるような彼氏はいないようだったが、うまく欲を発散する賢さを持ち合わせている。





 結婚という言葉を聞くこともあるが、器用な性格と、自身よりいいレベルの高い男を選ぶ理想の高さが結婚の邪魔をしているのではないだろうか。





 そうなれば、予想外とは言えど、据え膳食わぬは男の恥。



全く手を出さないのも、いかがなものかと考えてしまう程度には、経験があると自負している。






 柚衣子の寝顔を見てみれば、そこそこ愛嬌のある顔だし、ブラウスから覗いた腰も、多少のくびれは見て取れる。

ピンと張った胸元の生地は、きつそうにそこを主張していて、豊かさがあるといえよう。



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