浅葱色の恋心
翌朝




朝餉に間に合うようにと

監察方 山崎烝が屋根上を走っていた




「や!? 彩華はんかいな?」




人影に近づくと、山崎の思った通り

彩華が、座っていた



「何してんのや?」


「あら?新選組の… 山崎さん!」


「覚えてくれとったんか!嬉しいなぁ!」


「私…初日の出を見損ねてたの!
昨夜、思い出したので!」


ヘラッと笑うが

元気がなく見えた



「山崎さんは?」


「朝餉に間に合うよう、走ってる」


「屋根を!?」


「はははっ せや」


「まぁ 早朝だから、下を走っても
ぶつかりそうにありませんけど?」


「それも… そうやな… またな!」



屯所に戻った山崎は、すぐに土方のもとへ



「すんまへん!彩華はんが気になって
また、様子見てきます!!」


「わかった 飯は、とっておく」


「おおきに」









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