浅葱色の恋心
池田屋の1階が静かになった


「副長 怪我人を先に出しました」

「総司を運び出せ」

「え? あっ はい!」

「それから、縄を持って来い」

「はい!!!」




放心した私と土方様の睨み合い




それは、私が縄で縛られるまで続いた



もう、何を言っても

信じてもらえない




私は、町の人々にヒソヒソ言われながら

屯所まで歩いた



そして、桝屋さんを拷問していた

あの蔵に入れられた





鼻をつくにおい

それが、返り血を浴びた着物からか

この蔵からなのか



ぼーっと、考えていた








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