浅葱色の恋心
「そうか…なるほど
何も思い出せねぇのに、永井様を兄上って
言ったのは、永井様の心の声を聞いたから」



土方がうんうんと、納得




沖田を押しのけ、原田が彩華の手を握る



〝彩華!俺の名前は?〟


「原田さん」


「おお!!」



次に、永倉が彩華の手を握る



〝彩華!俺と木の実採りに行くか?〟


「うん!行く!」


「こらこら!彩華君を玩具にするな!
すまないねぇ…」


「いえ…」


「そっか… 何だ… 俺のこと
少し覚えてんのかと思った…」



がっかりする尚忠の前に座ると



「ごめんなさい 俺の妹って、聞こえて
あの… 本当は? 本当は、どうなの?」


「俺の妹に決まってんだろ!!!」



落ち込んでいるかと思えば

急に威張る



「私の名前… 教えて…」




彩華が尚忠に触れた



〝…桃香
永井桃香 でも、新選組には言えない〟




「ありがとう!兄上!
でも…私が姉の方が良くない?」


「ばか!お前は、小さいんだから!
妹なんだ!!!」



〝桃香!俺は、お前の兄がいい!!〟



「ふふっ
仕方ない!妹でいてあげる!」









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