浅葱色の恋心

不思議な力 下

新選組と仲良くなり

少しづつ恐怖を感じなくなった



そんなある朝



ドォーーーーーン



大砲の音が鳴り響く




慌ただしく皆が、出陣していくのを
見送り


帰って来た時のために


握り飯を作ることにした



大量に握り飯をこしらえた


昼過ぎになっても



帰って来なかった



「大丈夫ですよ」



山南に宥めて貰いながら

そわそわしつつ、帰りを待った






「山南副長…客人です」




客なら、お茶を入れようと

彩華が立ち上がると


「蒼井彩華」


「……私かな?」


「探したぞ」


「失礼ですが!?どちら様で?」


「徳川家の家臣だ
名は、名乗れぬ」


「彩華にどのようなご用件でしょう」


「徳川家の大事だ
力を貸して欲しい」


「重ね重ね、申し訳ない
なぜ、ここに彩華がいると?」


「先日、人を殺したとかで
奉行所に名乗り出ただろ
江戸にいるとばかり思っていたが
京にいたとはな
さぁ 来てもらおう!」


「お待ち下さい!
あまりに急では、ありませんか!!」


「大事だと、申した!」


「それなら!こちらも大事です!
彩華は、記憶を無くしております!」


「記憶がなくとも、役に立つ!
徳川家の為に、働いて貰う!!
邪魔するなら、叩っ切るぞ?」



「行きます!!!
あの… 終わったら帰っていいですか?」



「構わん」




「彩華!!」


「大丈夫!!帰って来ますから!
山南さん!行って参ります!!」













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