浅葱色の恋心
平助が、隊士募集の為
江戸へ行くことになった



「平助 気をつけてね」

「おう!
一、彩華を頼むな!」

「任せろ」




平助を見送り


いつも通り、仕事をした





数日後






一と買い物に出かけた彩華が
人ごみで、体を触られた

真っ青になり、一の着物を掴んだ


「どうした?彩華?大丈夫か?」


「…帰りたい」


弱々しい声に、不安になる


「疲れたな 帰ろう」



彩華を連れて屯所に戻る


風が強く吹き

木々がざわめくと


廊下で耳を塞ぎ蹲った




「彩華!?どうした!?」





一の声で、皆が集まる




「やだ!来ないで!!触らないで!!」



どうしていいのか、一が狼狽える



「…助けて 
助けて芹沢さん!!」



ガクガクと全身を震わせ

呼吸もおかしくなる


「や!!」


「彩華!!」


土方が、強引に両手を掴み
彩華の名を大声で呼んだ



「落ち着け!!ここは、大丈夫だ!!
俺の声が聞こえるだろ!?
心配ねぇ!皆ついてる!!」



泣きじゃくっていた彩華が
土方の顔を見て、呼吸を整えながら

こくこくと頷く


「ヒック… 怖いよぉ」


「大丈夫
俺達が、守ってやる!」





泣いて眠りについた後



土方が、幹部らに

置屋で虐めにあっていたことを話した





「彩華君を助けてやろう!!」








近藤の呼びかけに、皆が強く頷いた












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