浅葱色の恋心
試衛館で過ごすようになり

半年がたった頃




「なぁ?お前ら…
その薄汚ねぇ巾着袋なんだ?」


永倉が、2人の刀につけてある
巾着袋を指さす




「「……」」



無言になる2人に、原田が



「訳ありか!? 聞こうじゃねぇか!!」




永倉と原田が、にかにか笑い
興味津々で2人に詰め寄る




「中はなんだ?見せろよ!」




「ダメ!これは、大切な物なんだ!!!」


「うむ!これだけは、見せられん!!」




ムキになる2人に、クククッと笑い




「女からの贈り物かぁ~」

「隅に置けねぇなぁ~」




永倉が平助の肩を

原田が一の肩に手を回し




「初恋の相手か?」


「な!?」



「どんな女だ!?」


「え!?」




一と平助は、目を合わせ

顔を赤らめ俯いた





「ハッハッハッ」


「わかりやすいな!お前ら!!」





散々茶化され

その日のうちに


2人がひとりの女を取り合う


恋仇



と、全員に知れ渡った



2人でいると、「仲良くな!」 などと



声をかけられる日々が



しばらく続いた









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