浅葱色の恋心
よく笑うようになった彩華に

一ですら、心配することを忘れていた



「一!沖田さんと遊びに行こう!」


「ああ 報告した後でな」


「やったぁ!!」


巡察の帰りを待ちわびていた彩華が

喜び飛び跳ねる



「すまん 仕事を頼まれた」


「そっか… 仕方ないね
頑張ってね!いってらっしゃい!」



断れることが増え
次第に、誘うことを辞めた





屯所が移転するとか、しないとか


揉めている声が彩華の部屋に聞こえた



「隊士には、相部屋させて
住み込みの女中には、一部屋与えている
おかしくないですか!?」



繕い物の手を止め

辺りを見回す


〝そうだよね… 当たり前に居座って
私ったら… 考えが足りなかったわ〟



幹部らが会議している部屋へ



「私、炊事場の隅にでも寝るので」


すると

伊東が、彩華のもとに行き


「そういうことじゃないの!
この屯所が手狭だと言っているの!
どこで、聞き耳立てているのか
知らないけど?
部外者は、あっちに行ってなさい!」




部屋を出たが、自室は申し訳なく

居心地が悪かった














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