浅葱色の恋心
誰とも目を合わせず

坦々と話す彩華に、皆が心配する




「何もないなら、失礼します」






別室で待機していた4人に報告をして
そそくさと戻る途中





「彩華姉はん
うち… 隣の部屋やったんどす
彩華姉はんは、初めて会うお客はんを
あんな繋ぎ止めかたしはるん?
見損ないましたわ」





彩華をあざ笑うように

睨むと、奥の部屋に消えた






ヒタヒタと歩き
酒瓶を持つと



暗い夜道を歩き


芹沢の墓までやって来た



「飲みましょう ふふふっ」




グビグビと酒を飲み



飲み干すと扇を開いた



「ふふふっ あははっ はははっ」




ポツ ポツ  ザァーーーーーー



雨が降り始めた頃には
夜が明けていた

ずぶ濡れになった彩華は、静かに涙を流す





「芹沢さん… またね」










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