浅葱色の恋心
【平助】






「山口 名を斎藤と改め、京へ行け」



土方さんが、一に言った



「浪士募集の話を聞いた
俺たちも、京へ行く!
先に行ってろ!」



翌日





一が旅立った





一の後ろ姿を見送り




彩華を見送ったあの日を思い出す






ぽつぽつと降り始めた雨







一の背中が小さくなる








「今生の別れみたいな顔すんな!
数ヶ月もすりゃ会えるんだ」






永倉君が、励ましてくれた





ごめん


一じゃなくて、彩華のことを考えてた







初恋の女の子









彩華…




元気なんだよな?






巾着袋ごしに、玉を握った










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