浅葱色の恋心
【一】




「…って、事だ」



彩華に会いに行った土方さんから


なぜ、俺達から離れて行ったのかを聞いた



何も言葉を発することの出来ない俺達





土方さんは、腕組みをした



平助と俺は、土方さんからの言葉を待つ




「後悔するぞ」




心の臓を掴まれた気分だった

後悔なら


幼い彩華をたった1人で旅立たせた

あの日から



ずっと




平助が旅に出て



余計に




「幼なじみなんだろ?」





土方さんは、ため息を漏らす




「男がうじうじしてんじゃねぇよ!!!
あいつの方がよっぽど男らしいじゃねぇか
っつっても……
実際はな、お前らに未練があって
お前らの巡察を屋根上から見てるぞ
山崎に見張らせてわかったことだが
本気で、離れるなら
京を出たはずだ
まだ期待している
お前らが… 迎えに来ることをな」





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