浅葱色の恋心
【一】




孝明天皇様が亡くなられた




報せがあってからも
彩華が帰ってこない




山崎君に教えて貰った屋根に上がり

正月を過ごす



「うわぁ~忘れてたなぁ~この感動!
御来光!! 最高だな!一!!」



「うむ」







屋根から見えるのは
初日の出だけではなかった



「一!!彩華だ!!」


「…」



平助に言われて、指さす方を見れば

彩華が伸びた髪を適当に結い上げ

店の者と歩いていた



「なんか… あっちが幼なじみみたい」




口を尖らせて

拗ねるのも無理はない




少し前を歩く女の後ろを
歩く男2人(←1人は、彩華)



まさしく


昔の俺達のようだ



彩華は、笑っていた

楽しそうに



今の暮らしが好きなんだと言っていた








だったら…












俺達は、どうしたらいい?


















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