浅葱色の恋心
「してやられた…」



山崎の部屋で、ガックリ肩を落とす彩華



「や~めっちゃ可愛いで!」



肩まで伸びた髪を上手に結われ

抵抗虚しく、着物を着せ替えられたのだ



「ほら!にっこり!」


「土方さんって、意地悪だよね」


「あの人なりに心配してるんちゃう?
女子に戻るきっかけ作りたかったんやろ
甘えとったらええやんか!
やぁ~可愛いらしなぁ」



屯所での宴に彩華太夫として招かれた

とは、知らず


上機嫌で、部屋を出る山崎を睨む


すっかり整った自分の姿を鏡にうつす


「動きにくい… 重たいし…
可愛いくなんて全然ない…」




宴が始まると、舞いを披露し

皆が酒を楽しんだ


さり気なく伊東の心を読むと


任務完了し、少し余裕が生まれた










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