浅葱色の恋心
【平助】





一が、彩華のこと

諦めたはずがない



なのに、一歩下がった感じ



「欲は、ある」



ぶっきらぼうに言ったその言葉に

思わず噴き出した



「本当だぞ 彩華を俺のものにしたいと
常に思っているぞ」


真顔で、俺に詰め寄る

別に疑ってないのに

ただ、わからない


「だったら… どうして…」


俺たちの仲を取り持ったの?



「彩華が好きだが
平助のことも同じくらい好きだ」


「!!!」


「はっはっはっ! 俺の気持ちは
幼なじみ以上なかった
幼なじみでいられたら、お前たちが
幸せなら、俺も幸せだ
そのうち、よい縁もあるだろう」


「俺さ ひとりでカッとなって
いつも、なんの理由もきかないで
傷つけてるんだよな」


「治せばいい」


「気をつけてるつもり」


「…それでか?」


「……うん」


「ふっ 一緒に暮らし始めたら
俺が彩華を慰めて、平助に説教とか
するんだろうな」



想像してみると


本当… そのままだ



「よろしく」


「こちらこそ」





御陵衛士でいることは、苦悩だった


一とこうして


語るときだけ



気が抜けた




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