浅葱色の恋心
【平助】





彩華が帰ったあと

「はぁーーーーー」


大きなため息を漏らす



そんな俺を不思議そうに、一が見る



「渡せなかった…」


「何をだ」


「実は…… 江戸で買ったんだ」



懐から、櫛を出すと

一は、左手で頭を抱えた



「まったく… やっぱり、手がかかる
さっさと渡せば、行方不明やら男にならず
済んだものを…」


「わかってるからぁ 言うな!
/////照れるんだよ」


「次 渡せ
2人の時間をつくってやる
いいな!? 渡せよ!!」


「うん」





穏やかな一と違い


俺は、心の臓が未だ鳴り止まない





彩華…





彩華…







一緒に、暮らせるんだな













嬉しくて





雨乞いを踊りたいくらいだ




















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