浅葱色の恋心
    ☆  ☆  ☆  ☆  ☆





平助と加納は、昼間に接点を持たず

夜のみ

話しをすることにした



「加納って、いくつ?」


「藤堂さんの5つ上です」


「え…」


「永倉さんとかと同じだったかな」


「嘘 見えないよ」


「クスッ 力のせいです
容姿が若いのは、力が強い為
あまり使わずに生きてきたので」


「へぇ~ 彩華めちゃくちゃ使ってたな」


「そうなんですか?」


「うん」


「そんなことしたら寿命が短くなるのに」


「……あぁ それでね」


「なんです?」


「独り言だよ」


「藤堂さんに話さないと…

俺も御陵衛士になるつもりなかったんです
ただ… 伊東さんが蒼井について
調べていたから、会えるかなって…
彩華さんが蒼井の姓を名乗っていると
伊東さんに聞いた時

彩華さんのことで、頭がいっぱいで…

彩華さんに会う為に、江戸に行きたいと
申し出たときに

俺の力のことを話してしまったんです

伊東さんは、近藤局長を暗殺して
彩華さんの力を手に入れるつもりです

九州で、その方法を探していたんです」



「責任… 感じて
自分まで危険にさらさなくても」


「大丈夫!俺のは、藤堂さんに任せました!
彩華さんを一緒に守りましょう!」


「よかった 彩華が加納を覚えてなくて
隙あらばって、言ってたもんな」


「あんなに熱いと思わなかったんですよ」


「/////熱いとか言うな!」


「新選組に戻ったら、祝言ですね」


「あ また渡し忘れた」


「何を?」


「いいんだ 気にするな!」




着物越しに櫛に手を当てた



〝迎えにくる〟




「はははっ」


「なんです?」


「晴太と彩華が喧嘩したら
どっちが強いかなって」


「彩華さんは、女子ですよ」


「でも、彩華も強いよ」


「男ほどではないでしょ」


「さぁ~」












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