浅葱色の恋心
   ☆  ☆  ☆  ☆  ☆






「平助は、僕の友でもあるんだ!」




彩華が沖田のお見舞いに行くと

沖田は、彩華にそう言い微笑んだ




「一と総司が友と呼ぶような人
俺が知らないって、おかしくないか?」



「そう?晴太になって新選組に来たとき
もう、平助は御陵衛士だったから
面識なくてもおかしくないよ!」


「そう言われれば… そうかも…」


「平助はね 正義感が強くて
友達想いの本当に良い奴だったんだよ!
いっつもさ、にかって笑うんだ!」


「そうなんだ」




記憶がずいぶんと抜け落ち

その記憶が〝平助〟と関わる記憶だと

なんとなく気づき始めた頃



新選組の屯所内で、彩華に平助の事を
話題に触れない


〝気をつかわれている〟



居心地の悪さに不安を感じ



沖田のところに来たのだった



沖田が普通に〝平助〟の事を語った


その事に安堵した





〝そっか…
私が、知らないから話題にならないんだ〟





「総司と一の友なら、俺の友でもあるな!」



「あははっ そうだね!」









< 319 / 401 >

この作品をシェア

pagetop