浅葱色の恋心
一は、巡察の帰りに平助の墓に

彩華との婚約を解消したこと

ここ数日、会話どころか

目も合わせて貰えなくなったこと

話に行こうとしていた





「うぇっ ううっ わぁーーーーん」






平助の墓にすがるように

泣く


彩華を見て、固まった






駆け寄り彩華を抱きしめたい






そんな衝動を抑え

背を向けた






彩華の泣き声を聞きながら


拳を強く握った



目の前が歪み



溢れる涙を拭くこともなく



泣いた












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