浅葱色の恋心
「怖いんだ…」



新八から思いもよらない言葉が出てきた

新八が怖い?



「俺の方が… 土方さんに近かったのに…
全然… 気がつかなくて…
平助の時だって、お前が警戒してるのだけ
それしかわからなくて
失いたくない… 失うのが怖いんだ…」



「新八…」




小刻みに震えていた

泣いてるのかな…?


どうしていいのか困り

私は、少し弱音を吐くことにした



「今日、気づいたんじゃなくて
頭の中の声が、教えてくれたんだ
俺の中には、平助と多分…加納がいる」



「助けてくれたんだな
ありがとう平助!加納!
晴太の中で、晴太のことも守ってくれよ!」



ぎゅって、抱きしめられ

温かくなった





「仲間同士、守り合うのは、当然だよ!」


「おう!そうだな!」









いつの間にか寝たらしい


朝になると


新八がまだぎゅってしてくれたまま


これが一となら、ドキドキもするのかな



「ぷふ」



「んあ?何笑ってんだ?」



「新八とは、色恋沙汰にならねぇと思って」



「こんな男前に抱きしめられて
その台詞は無しだろ!」



「クスクス」


「笑うな!!」






おかしいよ



人を殺めた私が大事にされてるなんて…








おかしくて




笑うしかないよ
















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