浅葱色の恋心
翌日



将軍警護の仕事から

屯所に戻る途中



加納の姿をした伊東さんを
屋根上に見つける




「おい!だめだっ!」




土方さんを振り切り、屋根上へ


逃げ出す伊東さんを追い

皆と離れた


ピタリと逃げるのをやめ




「晴太君… いえ 彩華さん
痛みはどうかしら?」


「まあまあだ」


「そう 貴方に聞きたかったの
誰の命を貰ったの?」


「聞いてどうする」


「この体 思ったより命が少ないの」


「へえ」


「貴方… 鬼よ
人の命を喰らう 鬼
徳川を助けるなんて、嘘じゃない
結局、人の命で貴方が生き延びている」



「伊東さんこそ、人の体をとった」



「私は、これで満足!
貴方は?これからも人の命を奪うの?」




「晴太!!」


山崎さんが追って来てくれた

素早く逃げる伊東さんを

追うことも出来なかった



< 346 / 401 >

この作品をシェア

pagetop