浅葱色の恋心
【一】




土方さんの怒りが伝わる

永倉君が、心配気に彩華の背中を見送る


「平助の野郎…
あいつに知恵をやりやがった」


「仕方ねぇよ
一が身を退いたからな」



2人が俺を睨む



「おっ俺???」



「だから!なんでわかんねぇんだよ!!
永倉だってわかってんのに!!!」


「え?嘘ついてんのわからなかったのか?」



わからなかった…



「はい」



「「はぁ~」」




土方さんが腕組みをして


「今日、またなんかあったぞ」


「伊東さんかなぁ」


「だろうな」


「ちょっと!!すみません」



話が見えない!!!



「一 しばらく晴太にまとわりつけ
いいか? あいつは、嘘をついてまで
隠したい何か、秘密を持っている
加納が言っていただろ
このままだと、命に関わることだ」


「怖い夢は、最近見てなさそうだけど
昨日の夜の事だっておかしいもんな
平助は、深酒したって具合悪くならねぇ
ちょっと釜掛けたら、のってきた
晴太の心を開けるとしたら
一しかいねぇよ
どうやら、平助と加納を
味方につけたようだもんな」



「兎に角!お前は、まとわりつけ!」


「はい…」








まとわりつけって… 具体的な指示はない





屯所に戻ると






また、髪をバッサリ切っていた



「伸びたから」



ケロッとしている




そんな彩華を見て、また土方さんが

不機嫌になる











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