浅葱色の恋心
土方さんが、眉間に皺を寄せ

腕を組む




四半時後





「……戻りました! はぁ……はぁ…」



息を切らし、山崎さんを背中に乗せ

フラフラ帰ってきた



「副長 聞きましたか?」

「おう 山崎 撃たれたのか!」

「すんまへん」

「ほんと!!何、撃たれてんだって!
副長からも怒って下さい!!!
医務方が…撃たれてどうすんだよ!
俺の治療に文句言うなよ!!」

「言わへんし… 頼むで…」



涙ぐみ悪態をつき

テキパキと治療をする




それを俺達は、黙って見るしかなかった




「血が止まらないよ…どうしたらいいの?」





山崎さんが運ばれて来たとき

出血の多さに

〝助からない〟

そう感じた


だからこそ

土方さんも馬鹿野郎なんて

怒鳴ったりできなかったんだ



「おおきに… 治療も上手くなったなぁ」


「まだまだだよ!!
色々教えて貰わないと!
監察も医術もまだいっぱい教えてよ!」


「副長……すんまへん」


「ゆっくり休んでろ」


「はい」




彩華を連れだし

水を飲ませる

湯呑みを持つ手が震えていた







< 374 / 401 >

この作品をシェア

pagetop