浅葱色の恋心
【一】
戦が終わった
土方さんが亡くなったと伝え聞いた
「よう!久しぶりだな!」
変わらない笑顔で、手を上げる
永倉君に、俺も手を上げ応える
「なんでここ知ってるんだ?」
永倉君は、俺たちの名を刻んだ木を
待ち合わせに指定してきた
少し顔を歪めて
「彩華とここで別れたんだ」
いつのことだろう?
「一」
「はい」
「彩華は、土方さんと戦に行ったんだ」
!!!!!
「容保様の側室になったんじゃないのか!」
「総司の命貰って、脇腹の痛みをとり
新選組として生きることを選んだ
頼まれたことがあってな」
永倉君が懐から櫛を出した
平助が彩華に渡すはずだった櫛
「市村がさ
へったくそな文持って帰ってきて
この櫛を俺に、木の下に埋めて欲しいって
俺より、一の方が喜ぶかなって」
「彩華が……
嘘だ そんな……」
「良い天気だな……」
空を見上げる永倉君の頬にも
俺の頬にも
涙がつたう
「平助や彩華の分も、生きろ
お前が幸せに生きろ!!」
また、ここに置いてけぼり
いつだって2人は、俺を置いていく
櫛を木の下に埋めた
ずっと、幼なじみだからな
終
戦が終わった
土方さんが亡くなったと伝え聞いた
「よう!久しぶりだな!」
変わらない笑顔で、手を上げる
永倉君に、俺も手を上げ応える
「なんでここ知ってるんだ?」
永倉君は、俺たちの名を刻んだ木を
待ち合わせに指定してきた
少し顔を歪めて
「彩華とここで別れたんだ」
いつのことだろう?
「一」
「はい」
「彩華は、土方さんと戦に行ったんだ」
!!!!!
「容保様の側室になったんじゃないのか!」
「総司の命貰って、脇腹の痛みをとり
新選組として生きることを選んだ
頼まれたことがあってな」
永倉君が懐から櫛を出した
平助が彩華に渡すはずだった櫛
「市村がさ
へったくそな文持って帰ってきて
この櫛を俺に、木の下に埋めて欲しいって
俺より、一の方が喜ぶかなって」
「彩華が……
嘘だ そんな……」
「良い天気だな……」
空を見上げる永倉君の頬にも
俺の頬にも
涙がつたう
「平助や彩華の分も、生きろ
お前が幸せに生きろ!!」
また、ここに置いてけぼり
いつだって2人は、俺を置いていく
櫛を木の下に埋めた
ずっと、幼なじみだからな
終