浅葱色の恋心

涙   上

【平助】





大和屋の一件があってから


彩華は、屯所に来なくなった







芹沢さんとの関わりを辞めて欲しいと

思っていたが



俺たちとも、疎遠になるのは考えもの



存外に、わがままな自分に呆れる




「なぁ~ 新八~ 左之~
ぱぁっと楽しいことねぇかなぁ?」



近頃、2人が名前で呼べとせがむので

遠慮なく、名前で呼び始めた

一は、生真面目だから

〝永倉君、原田君〟のままだ

1度名前で呼び合うと、なんだか

兄弟のように思えてくる

思っているのは、俺だけだろうけど




「平助~おめぇ、最近は彩華とどうだ?」


「どうって?会ってないけど?」


「考えたことあるか?年頃の娘だぞ?」


「そうそう!縁談くらいあるだろう?」


「……」




そりゃあ     …そうかも





「嫁にしてぇとかねぇの?」





え……





「他の誰かの嫁になってもいいのか?」





え…






「惚れてんだろ?」






「一ならいいな!他所の誰かは嫌だ!
俺の知ってる奴なら、許す!!!」






質問に答えず


強がりを言った


なんとなく… 知っているから









一も、彩華が好きなこと







俺は、幼なじみ3人の関係が大事だから











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