浅葱色の恋心
   ☆  ☆  ☆  ☆  ☆



芹沢は、いつもより酒を飲んだ


上機嫌で、豪快に笑い


普段、誤解を招くほど
口数が少ないのに
たくさん話をした






「先に帰って休む」




芹沢が立ち上がり、彩華も立つ




〝彩華 アイツらを怨んではならん
これは、俺の望んだこと
俺の為にアイツらがしてくれることだ〟



〝はい 芹沢さんの為
私は、お手伝いしますね〟



〝ありがとう 彩華〟



〝さよなら 芹沢さん〟




「ここでいい」


「へぇ」




揚屋の玄関先で、芹沢を見送った




廊下で、土方 山南 原田 沖田

4名を見つけた

手引きを君菊がしていた




「君ちゃん 宴に戻りなさい」

「彩華姉はん!!」

「万が一見つかれば、仕置き部屋や
うちなら、大丈夫や
あんたは、戻って怪しまれんように
上手いこと話を合わせとくなはれ」


彩華にお辞儀をして、君菊が宴へ



4人は、彩華にバレたと、冷や汗をかいた






「その格好で行くの?」





「え? あー 下に着てます」


「そうか なら、こっちの部屋から
裏口に出たら、人目につかん」



「彩華?」


「土方様 君菊をこういったことに
巻き込むのは、辞めとくなはれ
一と平助は、知ってる?」


「いや」



「そう 早いお戻りをお願いします」





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