浅葱色の恋心
【彩華】






殿方に、口づけをするようなこと


本当は、嫌だったけど


芹沢さんとの約束だから




勇気をだして、傷を治した




小さな傷は、これくらいで治る





〝ごめん ごめん 彩華〟




〝芹沢さん…ごめんなさい〟





「ありがとう」






沖田様の口からは、感謝の言葉


でも、心の中は、罪の意識で

今にも壊れそうだった



〝ごめんね ごめんね 僕が…〟





芹沢さん…怨むどころか
沖田様が、可哀想で仕方ないよ




私は、沖田様を抱きしめ返した




「芹沢さんは、沖田様に感謝してます
こちらこそ、ありがとうございます」




私が、そう言うと


肩を震わせていた



泣いているのかしら?



どうして?



こんなふうに、誰かを傷つけないと


芹沢さんが命を捧げた


『新選組』という名を拝命できないの?


芹沢さんが望んだことだけど


手伝いをすると選んだ道だけど






これでよかったのかな…?









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