漂う嫌悪、彷徨う感情。
「言いたくないならいいよ。 SNSでオマエの中学の同級生探して聞くから」
真琴の髪の毛から手を放し、パンツのケツのポケットに入れていた携帯を取り出す。
「やめてよ!! 恥ずかしい!!」
それを奪い取ろうと真琴がオレの腕に飛びついてきた。
「何もしてないんだろ?? なら別にいいだろうが」
携帯を妹の手が届かない様に高く上げ、SNSのアプリのボタンにタッチした。
「やめてって言ってるでしょ!! お兄ちゃんが昔の話を嗅ぎまわったりしたら、ワタシがみんなから変な目で見られるじゃん!! 何もしてないって言うか・・・ちょっとからかっただけじゃん!!」
オレの携帯に触る事の出来ない真琴は、今度は携帯の操作を邪魔すべく、オレのシャツを掴み、伸びてしまいそうな程に激しく揺らした。