漂う嫌悪、彷徨う感情。
日下さんに連れられて近くの公園へ。
日下さんは、公園にある大きな木の下に設置されていたベンチに向かうと、ゆっくりワタシを降ろし、そこに腰を掛けさせた。
そして自分もワタシの隣に座ると、ワタシの手から水とコーヒーを抜き取り、水が入ったペットボトルのふたを開けてワタシに手渡してくれた。 ジェントルマンなのか。 女を喜ばせるのが上手いのか。
「御親切にどうも」
日下さんから水を受け取ると、
「Sure thing」
またも英語で答えるアメリカンな日下さん。
「だから、外国人??」
「純国産。」
日下さんは、こういうやり取りが好きなのか、目を細めながら自分の缶コーヒーのプルタブを開けた。