漂う嫌悪、彷徨う感情。
それぞれの飲み物を一口含み、一息ついたところで、
「・・・で、何があったの??」
日下さんが本題に入る様に切り出した。
「・・・日下さん、聞いたら100%嫌な気持ちになりますよ。 それでも聞きたいですか??」
さっきの『ありがとう』とは正反対。
これから話そうとしている事は、言う方も言われる方も最悪な気分にしかならない。
それに、ワタシが口にするのも嫌なんだ。 思い出す事さえ辛い。
「うん。 じゃなきゃ、何の為に美紗ちゃんとココに来たか分かんないじゃん」
だけど、日下さんは聞きたいらしい。
日下さんにとって真琴ちゃんは、愛する彼女。 知りたいに決まっていた。
「・・・じゃあ、今から話す事は話半分で聞いてください。 先に言っておきます。 ワタシの口からは真琴ちゃんの悪口しか出てきません。 主観が入らない様に話そうとは思いますが、どうしても恨み辛みが出てきてしまうと思います。 ワタシの一方的な言葉になります。 真琴ちゃんのいないところで、真琴ちゃんの意見も聞かずに欠席裁判みたいになるのは卑怯だと思うから」
ペットボトルをぎゅうっと握り、意を決する。