長い幸せ
◇◇◇
僕が初めて彼女に出逢ったのは、あの店。コイン一枚で雑貨が買える、いわゆる100円ショップという店だ。広い店内だったのに、ふっとお互い目が合ったのを覚えている。
ゆるふわウェーブで栗色の髪。ふわりとしたスカートを履き、大人しそうな顔つきだけど芯が強い、そんな目をしていた。
当時は僕も彼女も全くの他人だったので、それ以上の進展は無かった。何もなにも無かった。あたりまえだ。誰も僕なんかには興味を持たない。それは自分でもよく分かっている。
でもそれから何度か同じ店で彼女に出逢い、同じ様に目が合った。二度目は商品棚の向こうに彼女は立っていた。三度目は同じ通路ですれ違った。
そして四度目にまた出逢うと、彼女は僕の前まで来て言った。
「うちに来る?」
僕は少し驚いたが、同時に彼女に見透かされて同情されたのだと思ってしまった。
その時の僕は、何もかも上手くいかなくて、自分の存在価値さえ見失っていた。仲間がどんどんと新しいパートナーを見つけたり新天地へ旅立って行くのに、僕は同じ場所に留まったまま。まるで泥の中で溺れているようだったから。
酷く孤独で何も出来ず、少し自暴自棄になりかけていた。
そんな僕を、彼女は優しく部屋へと招き入れてくれた。
ゆるふわウェーブで栗色の髪。ふわりとしたスカートを履き、大人しそうな顔つきだけど芯が強い、そんな目をしていた。
当時は僕も彼女も全くの他人だったので、それ以上の進展は無かった。何もなにも無かった。あたりまえだ。誰も僕なんかには興味を持たない。それは自分でもよく分かっている。
でもそれから何度か同じ店で彼女に出逢い、同じ様に目が合った。二度目は商品棚の向こうに彼女は立っていた。三度目は同じ通路ですれ違った。
そして四度目にまた出逢うと、彼女は僕の前まで来て言った。
「うちに来る?」
僕は少し驚いたが、同時に彼女に見透かされて同情されたのだと思ってしまった。
その時の僕は、何もかも上手くいかなくて、自分の存在価値さえ見失っていた。仲間がどんどんと新しいパートナーを見つけたり新天地へ旅立って行くのに、僕は同じ場所に留まったまま。まるで泥の中で溺れているようだったから。
酷く孤独で何も出来ず、少し自暴自棄になりかけていた。
そんな僕を、彼女は優しく部屋へと招き入れてくれた。
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