長い幸せ
しかし華と新しい奴との関係は、それほど長くは続かなかった。


現れた時と同じ様に、突然消えた。


僕が寝ている間にいなくなっていたのだ。華は奴の残した荷物をごみ袋にまとめていたから、たぶんもう帰っては来ないのだろう。


僕は心の底からホッとした。




でもそれから華は、僕に話し掛けてこなくなった。


乱暴だったあいつのせいで僕にも関心が薄れてしまったのだろうか。不安だった。


僕はそれでも華の事をじっと待った。待つ事しか僕には出来なかった。幸いにも僕は体力には自信があるし、生命力も強い方だ。


だから華がまたこちらを向いてくれるまで、いくらでも待てると思った。


またいつか、以前みたいに話し掛けて欲しかった。




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