死神のお仕事
少年の夢
「………様……神様…死神様…」
ドアを閉め切り、電気も点けず少年はぶつぶつ呟いていた。
虚ろな瞳で、窓の外を眺め…。
「死神様…おいで下さい…」
ガツッ!
右手に持っていたナイフで、一枚のタロットカードを刺す。
タロットカードに描かていたのは、DEATH…。
おどろおどろしい死神だった…。
ケルジャヌ区五番街。
『街を清潔に保とう!』、『豊かな自然を残そう!』などと書かれた看板が至る所にある。
道端には、赤や黄色、黄緑や青。
実に様々な色や種類の花が咲き乱れ、歩道のほとんどが並木道。
看板効果か、道路にはガムの包み紙一枚すら落ちていない。
人々の顔はほがらかで、明るい笑い声があちらこちらから聞こえてくる。