死神のお仕事


扉は両開き。不用心なようで、わずかに隙間が開いている。


家の住人は見当たらない。

隣の家とも、100メートルほど離れており、正面には大木が植えられた空き地がある。



(さて…どんなターゲットなのやら…)


ターゲット指定の場合、年齢・性別・所在地しか伝えられない。


アルフはスッと二階の窓の前へ移動。


バサバサ…

翼を羽ばたかせながら、中を覗く。


しかし…



「…中に入るより他ないな。」


暗幕のように真っ黒なカーテンで覆われた室内の様子は、外からではわからない。



(引きこもりなのか…クールな少年なのか…)


めったに人に興味を持たないアルフも、少し気になる様子だった。
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