死神のお仕事



(とりあえず…部屋に入らないことには、話が進まない。)


スッ…

アルフは肩にかけた鎌を手に持つ。



(カナル…力を借りるぞ。)


ヒュッ!

思い切り鎌を振る。


ビュウ…!!

台風のような激しい風が吹き荒れた。

その風は、窓を突き抜け、部屋まで入り込む。


ヒュオオ…



「わっ!?」


中から驚き声が聞こえた。

声変わりする前の少年の高い声。


ガラッ!

それからすぐに暗幕と窓が開けられた。


少年と目が合った。


短いくせ毛だらけの茶髪。

黒い大きめの瞳。

緑色の半袖Tシャツに青色の長ズボンをはき、いかにも歳相応の少年だった。


きょとんとした表情でアルフを見つめている。



「黒い翼に…フードコート…大鎌…もしかして…あなたは死神?」


開口一番、少年はアルフに聞いた。
< 106 / 227 >

この作品をシェア

pagetop