死神のお仕事
(とりあえず…部屋に入らないことには、話が進まない。)
スッ…
アルフは肩にかけた鎌を手に持つ。
(カナル…力を借りるぞ。)
ヒュッ!
思い切り鎌を振る。
ビュウ…!!
台風のような激しい風が吹き荒れた。
その風は、窓を突き抜け、部屋まで入り込む。
ヒュオオ…
「わっ!?」
中から驚き声が聞こえた。
声変わりする前の少年の高い声。
ガラッ!
それからすぐに暗幕と窓が開けられた。
少年と目が合った。
短いくせ毛だらけの茶髪。
黒い大きめの瞳。
緑色の半袖Tシャツに青色の長ズボンをはき、いかにも歳相応の少年だった。
きょとんとした表情でアルフを見つめている。
「黒い翼に…フードコート…大鎌…もしかして…あなたは死神?」
開口一番、少年はアルフに聞いた。