死神のお仕事
「そう、私はアルフ。あんたを迎えに来た死神だ。」
別に隠す様子もなく、平然と言ってのけるアルフ。
「あんたは、もうすぐ死ぬ。何か望みは…」
「やったー!本物の死神様だ!」
「なっ…?」
喜びの声で言葉を妨げられ、アルフは拍子抜けした。
対称的に、少年は目をきらきら輝かせ、挙げ句にはガッツポーズまでしている。
(死神と聞けば大抵の人間は怯えるが…珍しい反応だな。)
「迎えの意味がわかっているのか?あんたは死ぬというこ…」
「僕はレリック。憧れている死神さんに会えて、今ものすごく感動!!」
「…人の話、聞いているか?」
「もちろん!僕はいつでも覚悟できてるよ。人間としての人生を終わらせて、弟子にしてほしい!」
レリックは、嘆願するようにかなりの大声で言った。
アルフは困惑気味だった。
(変わった人間もいるものだ。自ら、死を…死神になることを望むなど…)