死神のお仕事
「待て!!」
何者かの怒鳴り声が、辺り一帯に響いた。
アルフは声の方向に目をやる。
「あんたは…リアゼ、だったな。」
「アルフ…おまえはなぜあの子を助けたんだよ!?」
リアゼと呼ばれた者は、黄色い髪と黒い瞳を持った死神。
十五センチほどの小さな鎌を、黒いコートに無数に忍ばせているとの噂。…歳は、アルフより二つほど下である。
「…シャンテは、手術を受ければ助かる者。つまり、死ぬべきではない人間だ。」
「そんな言い訳…通じるかっての!」
アルフは、やれやれというように深くため息をついた。
「アルフ…すかしてて普段から気にくわねえんだよ!消えなっ!!」
ヒュヒュッ!
…怒りで我を忘れた者ほど、手を付けられない者は無い。リアゼは、阿修羅のような形相で、アルフに小鎌を投げつけた。
カキーン!カーン!
アルフは大鎌で払いのける。
「神力は私の方が高い。諦めて帰っ…」
「問答無用!!」
ヒュヒュッ…カキカキーン!
リアゼの投げた二つの小鎌を払いのけ、頬横を通る鎌をひょいと交わすアルフ。