死神のお仕事
「ま、10歳なら普通の反応だと思うぜ。レリック…おまえは、大人びすぎだからな。」
リアゼは、小さな子をあやすようにレリックの髪を優しくなでる。
「元々…おまえ、選ばれてねえから、無理に死神になる必要も無いっつうわけだ。…とりあえず、天界に帰るぜ?」
「………うん。」
表情を変えぬまま、レリックは軽くうなずいた。
バサッ…
リアゼが翼を広げる。
青年が遺体となった現場は、静まることを知らないようだ。
次から次へと野次馬が増え、「ひいっ!」とか「きゃあ!」などの悲鳴かひっきりなしに聞こえてくる。
「背中につかまっときな!」
「………」
素直に聞き、リアゼの背中につかまるレリック。
バサッ…
バサッ…
高度が徐々に上がっていく。
足が宙ぶらりん状態のまま浮く。
バサッ…
バサッ…
レリックは虚ろな瞳で、地上を見下ろしていた…。
天界に戻るまでずっと…ずっと…