死神のお仕事
アルフは、レリックではなく、どこか遠くの一点を見つめていた。
「それというのも、私は…子供がターゲットの場合、どうにかして生かしてやれないかと考えてしまう悪い癖があるからだ。」
「…アルフさんは、優しいんだね。」
誉められたというにも関わらず、アルフの表情は曇っていた。
それではダメだ、と言うかのように首を二度横に振って、アルフは言葉を続けていく。
「死神の仕事をするにあたっては、優しさや哀れみの感情は抱いてはいけないのだよ。」
「そういえば…」
と、レリックは何か思い出したように言った。
「そういえば…?」
「イリアさんが似たようなことを…」
「あたしが何だって?」
ストッ!
何の前触れも無く、突如イリアが目の前に降り立った。