死神のお仕事



「…確かに、脱線してしまっているな。では、話を戻そう。」


アルフは、視線をレリックに移す。



「なになに?どんな話してたの?イリアちゃんにも聞かせて!」


「詳しくは、後で話すから少し静かにしていてくれるか、イリア。」


「あ…ごめん。」


アルフに諭され、イリアはしゅんとして、口を閉じる。



「まあ、私にはそういう感情がまだ残ってしまっている。まだあんたは若い。十分に親孝行してから、天界に来るべきだと勝手に考えたからだ。」


「………」


レリックは目を伏せて、アルフの言っていることの意味を考えているようだ。



「子供の内に亡くなるのは、最大の親不幸だと思う。私は…重ね合わせているのかもしれないが。自分ができなかったことを、押し付けたいだけなのかもしれないな。」


ふっ、と自嘲気味に笑うアルフ。



「………ぷはっ。もう喋っていい?ずーっと黙ってるのは、あたしにとって拷問だよっ。」


イリアが泣きそうな声で言った。
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