死神のお仕事
「ちっ…負けたぜ、アルフ…。おまえの判断に任す。消すなら、消しなっ!」
リアゼは観念したように目を閉じた。
「そうか…。」
スッ…と、アルフはリアゼの首から大鎌を離した。
そして、何事も無かったかのように、天界に飛び立つ。
驚いたのは、リアゼだ。
「助ける、だと…!?一体…どういうつもりなんだ…アルフの奴。」
釈然としない気持ちを抱え、彼もまた天界へと飛ぶ。
バサッ…バサッと、二つの羽音だけが静かな夜の空間を破っていた…。
「………。」
「アールフ!」
下界をぼうっと眺めていたアルフに、一人の少女が声をかけた。
アルフは振り向き、
「イリアか…。」
一言だけ言葉を返す。