死神のお仕事



「怒ったところで、何も変わりはせぬぞ?」


「わかっている…。」


「今のおまえにできることは、残された時間を有効に悔いなく使うことじゃ。こんなところで、わしと雑談をする暇があったら…、仕事に行くがよい。」


そう冷たく言い放つと、閻魔は作業場であるマグマの底に戻っていった。



(残された時間、か…。)


コポコポ…

煮えたぎるマグマの音が、妙にアルフの耳に響いた…。













カーン…

カーン…

カーン…

ミサの時間を知らせる鐘が鳴り響いていた。

過疎化してしまった地域にある、古びたちっぽけな教会。


その教会の前には、無数の人々が眠る墓場があった。

どの墓場にも、花束やお供え物が供えられている。
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