死神のお仕事
「よっ、見てたぜ?今回は…一段と派手にやったな。」
「シークか…。」
シークと呼ばれた男性は、苦笑しながら青年を見つめている。
短い赤髪に黄色い瞳。…さながら、ビジュアル系ロックバンドを思わすような外見である。
「下界のポリ公が騒ぐぜ?『残虐非道な手口!辻斬り魔の仕業か!?』ってな。」
「………。」
青年は興味ないのか、無言で黒いコートのフードをとった。
緑に近い青色の髪が、さらっと流れるように肩にかかる。
瞳はオレンジ色だった。
「俺には関係ねえし、あんたなりの事情ってもんがあるだろうから、口出しはこれくらいにしとくけどよ。それより…」
「それより…?」
「あんたも可哀想な奴だよな、アルフ。」
「可哀想…?私が、か?」
アルフと呼ばれた青年は、怪訝そうに目を細めた。
「ああ…聞いたぜ…?死神としての初仕事が、人間の頃に彼女だった女性を迎えることだったんだろう?」
「そのこと…か。むしろ良かったと…私はそう考えているのだが?」
シークはその答えを意外だと感じたらしく、細い目をパチパチとしばたいた。