死神のお仕事
「あたし…いつまで…生きて…いられるの…?」
ブォーン…と飛行機の飛び去る音が流れていく。
「今夜…二十一時五十八分。」
アルフは端的に答えた。まるで台本を棒読みしているような…何の感情も込められていない言い方であった。
「そっか…。ねえ…死神さん…?」
「何か?」
「あたしと…お話しよ…?死神さんのこと…いっぱい…聞かせてほしい…。」
少女は、力無く微笑んでみせた。
「私に…何を訊きたいのかい?」
「そだね…お名前は…?あたしは…シャンテ…。」
「シャンテか。…私はアルフだ。」
………。シャンテがゆっくりと呼吸をする間、沈黙の時間が流れる。
「お歳は…?あたしは…九歳…。」
「私は…人間年齢では十七だ。」
「若い…のね…。あたしの方が…もっと…若いけど…。」
シャンテがクスッと笑い、会話は続く。
アルフは会話中、一時たりともシャンテから目を離そうとはしなかった。
午後四時十四分。
「アルフって…死神なのに…優しいね…。」
「…そう感じるか?」