死神のお仕事
「救えて…ないさ…。」
「全く…アルフは頭固ぇんだから。俺が救れたって言ってんだから、悲観的になるなよ。…あ、そうだ、これ。」
カナルは、アルフに自分の鎌を差し出す。
「鎌を差し出す意味…知ってるよな?頼むぜ…アルフ…。」
「…ああ。」
ポツ…
ポツ…
ザー…!!
雨が、激しく地面を打つ。
まるで…そう。
カナルの存在が消えることを、一緒に悲しんでくれるかのように…。
今や、彼の体は光の粒となり…完全に消える一歩手前まできていた。
「カナル…」
「お別れだ…最期に握手しようぜ、アルフ!照れくさいとかどうとかは、今は関係ねえし。」
そう明るく言って、カナルは右手を差し出す。
「………」
アルフは無言でカナルの手を握った。
強く…暖かい手…。