死神のお仕事
「最期のわがまま聞いてくれて…ありがとな!生まれ変わったら、また兄弟として…」
シュッ…
カナルの体が完全に消えた。
握っていた手には、冷たい雨の滴がかかっていた…。
「アルフ~!!」
上空からイリアの大声が聞こえてきた。
「兄貴!無事っすか?」
少し遅れて、リアゼの声も。
それでも…アルフは鎌を見つめたまま、座り込んでいた。
ザー…!!
雨の勢いは、増すばかりで、彼の全身はびしょ濡れだった。
しかし、今の彼にそんなことは些細なことでしかなかった…。
彼の中では、メルディの時と同じ気持ち…後悔と悲しみがあるだけだった…。
バサッ…バサッ…
二人の死神は、アルフの左右に降り立つ。
「大丈夫!?傷だらけじゃない!!」
「兄貴…次元がさっき戻ったばかりなんで、遅くなってすみませんっす…」
「イリア…リアゼ…」
アルフは蚊の鳴くような小さな声で二人の名を呼ぶ。