死神のお仕事
「どしたの?」
イリアは、きょとんとした顔で聞いた。
泣き止んだようで、安心した。
「いや…頭をなでたことで、イリアを傷つけたと感じたから、謝りに来たのだよ。」
「あ、そのことか~!気にしなくていいよっ。アルフは、なーにも悪いことしてないんだから~!」
「しかし…」
「あ、そーだ、アルフ~!チョコ食べてくれた?美味しかった?」
イリアは、にこっと笑った。
さて…何と答えようか。
私は、本来甘党だから辛いチョコは、正直言うと美味しいとは感じない。
だが、不味いとは口が裂けても言えない…。
頑張って作ってくれたのを感じるからな。
「…美味しかった。来年からは、もう少し辛さを控えめにしてくれると助かるのだけれど。」
「そっか~。上手く作れたなら、良かった!来年も楽しみにしててね、アルフ。」
来年…。
「下界の味のチョコ…リクエストしていいかい?」
遠回しに、甘いチョコを希望しておいた。