死神のお仕事
「仕事は、至って簡単なことじゃ。寿命の尽きた人間を迎えに行く。ただ、それだけじゃ。」
「人間界の話では、死神は人を殺すのが仕事と聞いたが…?」
「あれは、人間共の勝手なイメージじゃよ。全く…けしからんのぅ!!」
ドンッ!
閻魔は、肩をいからせ、右足を踏み鳴らした。
「それで…寿命の尽きた人間かそうでないかは、どうやってわかる?」
「ほっほう!実に良い質問じゃの。」
(誰でも気になることだと思うが…。)
アルフは、閻魔の感心ぶりに少し呆れ気味だった。
閻魔は、気分を良くしたのか、その形相には不釣り合いな笑みを浮かべる。
「寿命の炎というものがあるのは、知っておるかの?」
「寿命の炎…?」
「人間には見えぬのじゃが、天界の者には見える炎じゃ。生きた人間の胸には…青白い炎が映る。寿命の尽きた人間は、その炎が消えている。」
「そうなのか…」
納得したように呟くアルフ。