死神のお仕事
「そっか…どうしようかな…。」
シャンテは、自分の胸の上に座っている子犬に視線を移した。
疲れているのか、顎を下に付け眠り始めている。
………。先ほどよりやや強い風が通り抜けた。
「子犬ちゃんと…また…たくさん遊びたいよ…。あたし………手術…受けようかな…。」
「そうか…。」
「あっ…。」
シャンテから子犬が引き離される。
「君が約束を守れたならば…私も子犬を渡す約束を守る。」
「うん…。」
「ドクターがここを訪れた時に…今の返事を忘れないように。」
「うん…わかった…。」
ササーッと三度目の風が吹き荒れ…
「では…また。小さなレディ…シャンテ。」
子犬を抱え翼を広げ、アルフは夜の空へと舞い上がったのだ…。
午後九時五十七分。
緊急オペ室の電気が消え、ドクターが中から出てきた。
「先生…シャンテは…?」
「手術は成功したのですか!?」
心配顔の父と母に問われ、ドクターは…