死神のお仕事
中央広場は、広場という割には目立つ物がなかった。
雲でできたイスがいくつかあるだけ。
(広場というより、空き地だな。)
アルフはそう断定した。
誰か居ないのかとアルフが辺りを見回していると。
「あーあ、今日も疲れたなあ。」
遠くから声がした。
声の主は、だんだん近づいてくる内にアルフに気づき、『あー!』と声を上げた。
「なーんだ、アルフも死んじゃったのかよ…。」
サファイアブルーの髪の死神が残念そうに言った。
瞳は茶色に近いオレンジ色。
(カナルも死神になったのか!)
アルフは一瞬目を見開いて驚いたが、すぐに冷静な顔つきになる。
「カナル…。まさか、本当に天界があるとはな。」
「あったり前さ!俺も初めは驚いたけど、慣れって怖いものだ。」