死神のお仕事
「慣れ、か…。」
「全く…フィアラ家は早死の家庭なんだろうな。まあ、それはよしとして…」
意味ありげににっと笑うカナル。
「アルフ、これからは兄弟仲良く死神やろう!そんで、俺とアルフは天界一凄腕死神コンビになるんだ!」
「天界一の死神コンビ…?」
「そうさ!やろうぜ、アルフ!そりゃ突然死んじゃってさ、まだ気持ちの整理がつかないだろうけど…。俺、さみしかったしな。アルフはたった一人の肉親だから、一緒に居たいって思いがあるんだ。死神ライフも悪くないぜ!」
(死神…か。カナルに会ったのも何かの縁。私は死神として生きるべき定めかもしれんな。)
アルフは数秒置いて…
「…そうだな。何にしろ、過去も人間としての生活も取り戻せない。一人でやっていくつもりだったが…兄弟で天界一を目指すのも悪くないな。」
「んじゃ、改めてよろしくな、アルフ…いや兄さん!」
「ああ。」
差し伸べられた弟の手を、アルフはしっかりと握った。